モンベルから発売されているアンダーウェア、『メリノウール』と『ジオライン』。
登山界隈では、ベースレイヤーはこの2択が有力な選択肢とされています。
そこで今回は僕が熟考の末、ジオラインを購入した理由を紹介します。
今まさにメリノウールとジオラインで悩んでいるアナタ。
この記事が参考になることを祈っています。
まずはメリノウールとジオラインの比較
メリノウールとジオラインにはそれぞれ
・L.W(薄手)
・M.W(中厚手)
・EXP(厚手)
がラインナップされています。
出典:モンベルオンラインショップ
ウェアの種類は
・ラウンドネックシャツ
・ハイネックシャツ
・タイツ
などがあります。
今回比較するのは標準的な『M.W(中厚手)』のラウンドネックシャツ。
スーパーメリノウール M.W.ラウンドネックシャツ | ジオライン M.W.ラウンドネックシャツ | |
生地 | ウール85% ポリエステル15% | ポリエステル100% |
重量 | 180g | 159g |
値段 | ¥7,480 | ¥4,730 |
保温性
保温性はポリエステルよりウールの方が高いです。
ウールは吸湿発熱素材なので汗を吸収して発熱することで温かくしてくれます。
一方ポリエステルは発熱こそしませんが、ジオラインは生地を2層にすることで空気の層を確保し保温性を実現しています。
出典:モンベルオンラインショップ
速乾性
速乾性は汗冷えを防ぐ為にも重要な性能です。
化学繊維のジオラインは速乾性が高く、ウールはそこそこです。
出典:モンベルオンラインショップ
一番悪いのはコットン(綿)です。
かいた汗が乾かないと『重い』『動きにくい』『体が冷える』と悪いことだらけです。
後述しますが、この速乾性の高さが決め手となり購入に至りました。
値段
お値段はウールのほうが高額です。
ジオラインに比べ1.5倍くらいの価格差です。
肌に合う合わない
人によってはウールが肌に合わないことがあります。
肌との相性が悪くチクチクする、痒くなるといった具合。
僕はまさにこれで首元がすぐに痒くなってしまいます。
一方、化学繊維が合わない人もいます。
化学繊維が肌との摩擦で静電気を起し、湿疹になったりします。
静電気問題
僕はミドルレイヤーにフリースを着ています。
フリースはポリエステルなのでジオラインとの相性は良いですが、ウールとの相性は最悪です。
出典:https://guard.lion.co.jp/eleguard/coordinate/
静電気と生地の関係を見ても、ウールとポリエステルの組み合わせは静電気が起きやすいことが分かります。
もし、メリノウールをベースレイヤー、フリースをミドルウェアにするのであれば、脱ぎ着の時に静電気は必至です。
アンダーウェアの重要性はなんだ?
僕がアンダーウェアで一番重要視する性能は『速乾性』です。
速乾性が高いのは化学繊維を使った生地、ジオライン。
なぜ速乾性を重要視するのかというと、低体温症を防いでくれるからです。
汗冷えによる低体温症を防ぐ
ここ最近、登山家の遭難事故をよく調べていました。
その中に汗冷えによる低体温症が原因で発生している遭難が結構あり、読み進めているうちに無視できない問題だと考えるようになりました。
低体温症とは、体の熱が奪われることで起こる症状で、最悪の場合死に至ります。
登山における低体温症の発生原因は、汗によって下着が濡れたままになり体温が奪われるというもの。
体温が35℃を下回ると低体温症の初期症状が出てきます。
最初は震えなどの症状が出ますが、そこを過ぎると震えの症状が止まり昏睡状態となります。
低体温症によって命を落とした登山家は何人もいます。
特に有名な事故が2009年7月に起きた『トムラウシ山遭難事故』です。
7月という夏場にも関わらず低体温症によって18人中8人が亡くなった遭難事故です。
この遭難事故によってベースレイヤーの重要性は一気に広まったという話も聞いたことがあります。
ジオライン購入に至った最後の決め手
ジオラインにした最後の決め手は『速乾性』です。
やはり山は不測の事態が付き物、このベースレイヤーが生死を分かつ時もあると考えると安全を重視したくなりました。
購入後、速乾性の凄さは自宅で洗濯したときにすぐ分かりました。
というのも、洗濯して脱水した時点でほぼ乾いているんです。
室内に干して1時間もすればもうサラサラです。
ひとつ注意点ですが、僕の調べた情報によると、ジオラインはそのまま洗濯すると毛玉が凄く出るらしいです。
洗濯はネットに入れることをオススメします。
実際ジオラインで登山してみてどうだった?
実際ジオラインを着て何度か登山しましたが、やはりその速乾性に驚かされました。
いつもなら下着が濡れてくるときも、体もジオラインもサラサラの状態ですごく快適です。
常に汗を吸って、すぐ蒸発してを繰り返しているのでしょうか。
しかも、いつもならフリースで登っているところも、暑くてジオライン一枚で登ることができるくらい保温性も高かったです。
さすがに下りはフリースを着ましたが。
静電気の問題も全くありません。
フリースもジオラインも生地はポリエステルなので、袖を通す時もスーッと通すことができました。
登山中は何度か脱ぎ着を繰り返すので、この点でも高評価です。
僕は今はもうジオライン無しでは登山は考えられないくらいハマってしまいました。
サイズ感はどう?
身長167㎝
体重52㎏
Sサイズでピッタリ。
袖長さ、身丈は丁度いい感じです。
少し気になるのは、脇下あたりが常に締め付けられている感じがします。
お店でMサイズも試着してみましたが、Mサイズだと袖長さ、身幅、身丈が大きすぎました。
おわりに
以上、僕がメリノウールではなくジオラインにした理由でした。
みなさんもジオラインで快適な登山ライフを送ってみませんか。
きっと後悔しない買い物になります。
ちなみに僕が今回購入したのは中厚手ですが、さらに厚いEXPと、薄手のL.Wもラインナップされています。
この分だとEXPは必要ないかなと思いますが、暖かくなってきたら薄手L.Wも購入してみようかと思います。
またその時は記事にできることがあれば執筆します。
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