釣りやアウトドアで活躍する軽量クーラー「シマノ フィクセルライト」。
わたしも実際に使ってみて、保冷力や使い勝手、携帯性などをしっかり検証してみました。
今回はそのレビューをお届けします!
保冷力って実際どうなの?サイズはどれが正解?座っても大丈夫?──そんな疑問に答えながら、シリーズ比較やちょっと気になった点も含めて、リアルな使用感をまとめました。
購入を検討している方の参考になればうれしいです!
シマノ フィクセルライトとは?

軽量・堅牢なクーラーとして人気の理由
フィクセルライトの大きな魅力は、なんといっても軽くて頑丈なところ。
一番小さい9Lサイズならわずか約1.5kgと軽量で、荷物が多くなりがちな釣りでも苦になりません。
しかも、本体はかなり頑丈に作られていて、大人が座ってもビクともしない堅牢性があります。
釣りの合間、ちょっと休憩したいときに腰を下ろしたり、クーラーを椅子代わりに使えるのはありがたいです。
軽さと堅牢さのバランスが絶妙で、「持ち運びやすいのに安心して使える」──それがフィクセルライトが人気の理由のひとつです。
フィクセルシリーズの中での立ち位置は?
フィクセルシリーズには、主に「ライト」「ベイシス」「リミテッド」「プレミアム」といったグレードがあります。
その中でも「フィクセルライト」は軽さと価格を抑えたエントリーモデル。
保冷力は控えめですが、日帰り釣行や短時間のアウトドアには十分な性能です。
一方、ワンランク上の「ベイシス」はウレタン素材で保冷力が強化されていて、さらに上位の「リミテッド」「プレミアム」になると断熱材に真空パネルを使っていたりと、がっつり遠征向けの仕様に。
わたしは「そんなに長時間釣るわけじゃないし、軽くて取り回しのいいクーラーが欲しい」という理由でライトを選びました。
シリーズの中でも「気軽に使える」「持ち運びやすい」立ち位置がフィクセルライトの魅力だと思います。
フィクセルシリーズの比較
ライト/ベイシス/リミテッド/プレミアムの違い
フィクセルシリーズは大きく分けて「ライト」「ベイシス」「リミテッド」「プレミアム」の4グレードがあります。
それぞれに特徴があり、釣りのスタイルや保冷力の必要性に応じて選ぶのがポイント。
ざっくりとした違いを表にまとめてみました。
ライト | ベイシス | リミテッド | プレミアム | ||
断熱材 | ポリスチレン | ウレタン | 3面真空 | 5面真空 | |
保冷力 | 9L | 23h | 27h | 30h | – |
12L | 30h | 35h | 40h | 45h | |
17L | 35h | 43h | 50h | 68h | |
22L | 35h | 45h | 55h | 78h | |
30L | 40h | 50h | 75h | 110h |
※保冷力は、クーラー容量の20%分の氷を入れて、31℃温度下で氷を保持できる時間を表したもの
どんな人に「ライト」がおすすめか

「ライト」はこんな人におすすめです。
- 荷物はなるべく軽くしたい
- 日帰りや短時間の釣行がメイン
- 保冷力はそこそこでOK
- 価格は抑えたいけど安っぽいのはイヤ
- クーラーを椅子代わりに使いたい
実際に使ってみて感じたのは、軽くて持ち運びやすいのに、しっかりとした安定感と堅牢さがあること。
「釣った魚を丸一日キンキンに冷やしたい!」というニーズにはやや物足りないかもしれませんが、真夏日以外ならまったく問題なし。氷も十分もつので、気軽に持ち出せるのが魅力です。
ちなみに、真夏日の釣行では氷が8時間ほどでほとんど溶けてしまいました。気温が高い日は保冷力が一気に落ちるので、長時間の使用を考えている人は注意が必要です。
ただ、対策としては氷の量を多めにしておく、もしくは日中を避けて夜釣りに切り替えるというのもアリ。工夫次第で快適に使えます。
また、冬場気温が5℃以下になるような季節はそもそも保冷力は必要ないので「ライト」の軽さが際立ちます。冬場の釣行がメインであれば軽さのメリットが大いに生かせます。
わたしのように「持ち運びやすさ重視、保冷力はそこまで求めない」というタイプの人には、ぴったりの一台だと思います。
フィクセルライトの容量別ラインナップ
9L・12L・17L・22L・30Lの用途比較

「どのサイズにしよう?」と迷っている人向けに、
わたしなりに各容量の使い分けをまとめてみました。
容量 | 内寸(㎝) | 用途 |
9L | 14.9×26.5×22.0 | ちょい投げ、キス釣り、アジング、メバリング |
12L | 17.0×32.0×23.5 | ライトゲーム、エギング |
17L | 20.6×34.0×24.5 | 万能サイズ、エギング、タイラバ |
22L | 22.0×40.0×25.0 | 船釣り、タイラバ、ヒラメ、アコウ |
30L | 25.9×44.9×26.0 | 船釣り、大物、大漁向け |
わたしが選んだサイズと理由


わたしは9Lと12Lの2サイズを使っています。
保冷剤とペットボトルを入れた状態を参考までに。
9Lは主にキス釣り用。
とにかく軽いので、サーフを移動しながら釣るスタイルにはぴったりです。
飲み物と氷、キスを入れておくにはちょうどいいサイズ感で、とても重宝しています。
一方、12Lはエギングやライトゲーム用として使用中。
アジングやメバリングはもちろん、春のアオリイカ、コウイカ釣りではキロオーバーも無理なく入ります。
わたしが持っているクーラーボックスで最も出番が多いサイズです。
ちなみに、17L以上のフィクセルは持っていませんが、他メーカーの20Lクーラーを1台持っています。
ただ、20Lクラスになると持ち運ぶには重く、正直フィールド移動には不向き。
そのため、このクーラーは船釣りなど持ち運びの少ない釣りに使用しています。
フィクセルライトの9L・12Lは、釣行スタイルに合わせて使い分けができ、軽さと実用性を両立した使いやすいモデルだと感じています。
使って感じたメリット・特徴
断熱材の厚みは2倍

さすが釣具メーカーのクーラーボックスだけあって、断熱材の厚みはホームセンター品の約2倍。スチロール製ながらしっかりとした構造で、冷気をしっかり閉じ込めてくれます。
実際に使ってみても、氷の持ちは明らかに優秀。真夏の屋外でもしっかり冷たさをキープしてくれるので、安心して使えるクーラーボックスだと感じました。
軽いのに座っても安心の堅牢さ

フィクセルライトは、軽量なのに大人が座ってもびくともしない堅牢な作りも魅力のひとつ。
釣りの合間にちょっと腰掛けたり、休憩用の椅子としても十分使えます。
ただし、9Lモデルは座面がやや小さめなので、安定感を求めるなら注意が必要。
また、座面が硬いので長時間座るにはクッションがあると快適です。
わたしも実際にシマノの防水クッションを使っていますが、それだけでかなり座り心地が良くなりました。
ちょい休憩にはぴったりのサイズ感ですが、のんびり腰を下ろすときはひと工夫あるとより快適です。
コの字ハンドルが持ちやすい

フィクセルライトのコの字型ハンドルは、持ちやすさにもこだわった設計。
片手で持っても左右にぐらつきにくく、持ち上げたときの安定感があります。
そのおかげで、車への積み下ろしもスムーズ。地味だけど、これがけっこう助かるポイントです。
さらに、別売りのショルダーベルトを取り付けることも可能。
ベルトを付ければ両手が空くので移動がグッと楽になります。
蓋が外せてメンテナンスが楽

フィクセルライトは蓋が取り外せる構造になっているので、とても便利。
蓋が邪魔にならずしっかり洗って干せるので、釣行後のメンテナンスがぐっと楽になります。
とくに魚を直接入れた時などは、丸洗いが簡単にできるのは大きなメリットです。
保冷力を実際に測定してみた結果


実際に保冷剤を入れて、どれくらい持つのかを測ってみました。
気になる保冷力をグラフにまとめています。
測定条件:
- 使用モデル:フィクセルライト 12L
- 使用した保冷剤:ダイソーの保冷剤500g × 2個
- 測定環境:屋内/屋外の2パターン
- 測定方法:温度センサーで保冷剤の温度を記録
- 各3回測定した平均値

こちらは、屋内(約25〜28℃)での温度推移をグラフにしたものです。
スタート時点では保冷剤温度はほぼ0℃でキープされており、その後も10時間以上はほとんど温度上昇がなく安定しています。
14時間を過ぎたあたりから徐々に温度が上がり始め、20時間頃から一気に上昇。最終的には保冷剤温度が10℃を超えたところで終了しました。
この結果から、室内保管であれば20時間前後まで十分な保冷力をキープできることがわかります。実際の釣行ではここまで安定した環境ではないため、外気温や日差しの影響で保冷力はもう少し短くなる可能性がありますが、短時間釣行や夜釣りであれば安心して使える保冷性能と言えるでしょう。

続いて、屋外(約28〜37℃)での温度推移グラフです。
測定日は7月下旬の3日間平均です。
朝5時時点の気温は約27℃、その後ぐんぐん上昇して9〜15時ごろは35〜36℃近くをキープする非常に厳しい環境。まさに真夏釣行と同じ条件と言える状況です。
肝心の保冷剤温度は、開始から数時間は0℃近くを保っていましたが、昼過ぎから徐々に上昇し、5℃を超えてからは上昇カーブが急激になります。最終的には22時時点で20℃に到達しており、ほぼ保冷剤としての機能は失われた状態です。
この結果から、真夏日の屋外使用では保冷剤の持ちは8時間程度が限界と考えたほうが良さそうです。実釣ではクーラーの開閉により冷気が逃げるので、この結果よりも早く保冷剤が溶けてしまいます。極短時間の釣行であれば問題ないですが、「丸一日キンキンに冷やしたい!」という場合には上位モデルのウレタン断熱や真空断熱のクーラーを検討するべきです。
まとめ|軽量クーラーに悩む人におすすめできる一台
釣りスタイルに合わせて選ぶのがポイント
クーラー選びでよくあるのが「とりあえず大きければ安心」という考え方ですが、釣りの場合は大は小を兼ねないことも多いです。
サイズが大きくなるほど、当然かさばるし重たくなる。
さらに保冷力を発揮するにはそのぶん保冷剤も多く必要になり、結果的に重くなるというデメリットもあります。
特に徒歩移動やランガンスタイルの釣りでは、クーラーの大きさ=負担の大きさになることも。
だからこそ、自分の釣りスタイルに合わせた“ちょうどいいサイズ”を選ぶことが大切。
釣果や釣行時間、持ち運び方法をイメージしながら、無理のないサイズ選びを心がけるのがポイントです。
カスタム派にも扱いやすいシンプル構造

フィクセルライトは、シンプルな構造だからこそカスタムしやすいのも魅力です。
まず、対応するカスタムパーツが豊富。
ロッドスタンドやトレー、ポーチなど、用途に応じてあとからいろいろ足せます。
別売りのショルダーベルトを取り付ければ移動時に両手が空くのでとても楽になります。
さらに、防水クッションを取り付ければ座り心地もアップ。休憩用の椅子としても快適になります。
釣りスタイルに合わせて自分好みにカスタマイズできるのも、フィクセルライトの魅力だと思います。
まずは一つ持っておくと何かと便利な万能クーラー
わたしの経験上、クーラーは気づけば増えがちな道具のひとつです。
釣りのスタイルや季節、釣行時間によって「もうちょっと小さいのが欲しい」「もっと保冷力が欲しい」と思う場面が必ず出てきます。
最初から1つで全部済ませようとするのは正直むずかしいですが、
まずは自分の釣りスタイルに合ったサイズ・グレードを1つ持っておくのが正解だと思います。
わたし自身も、最初に買ったのは、ホームセンターの15Lクーラーでした。
でも使っていくうちに、保冷力や使いやすさに不満が出てきて、釣りメーカーのモデルに買い替え。
そこから、釣りに合わせて別サイズやグレードを少しずつ買い足していきました。
その中でも、フィクセルライトのように軽くて扱いやすいモデルは、気軽な釣りに最適で出番も多いです。
いきなり完璧な1台を求めるよりも、まずは「使いやすい1台」から始めてみるのがおすすめです。
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