塩害とは海釣りをする人にとって無視できないトラブルのひとつです。塩害腐食は小さなものでも放置したり、釣行後のメンテナンスを怠ってしまうと腐食範囲は徐々に広がっていってしまいます。特にスプールエッジなどが腐食を起こすとリールにとって致命傷になります。
この記事では実際に私のスプールが塩害腐食を起こしてしまった時の対策方法を紹介しています。今回紹介する方法は、10分もかからず、200円程度でできるので、お金や時間はかけなくないという方や、修理までの一時的な応急処置をしたいという方におすすめの方法です。
塩害腐食の状態
塩害腐食を起こしてから3年程でこのくらいの範囲になります。下地の部分が白いのは、塩の結晶が固着しているから。このままスプールエッジまで腐食が広がると、キャストの度にラインが腐食箇所に擦れることになるので、リールとしては致命傷になります。
ラインの結び目を入れる溝も同様の状態になっています。この部分は構造上、特に塩が溜まりやすい部分なので腐食が発生しやすいです。やっかいなのは普段はラインを巻いているので、なかなか塩害に気づけないことです。
腐食の原因はメンテナンス不足
このリール「07ステラ」はすでに15年以上使っているということもあり、釣行後のメンテナンスを怠っていた時期もそれなりにありました。
また来週も釣りに行くからメンテナンスしなくていいだろうと思っていたこともあり、半年くらい放置していた時は、ラインの表面に塩の結晶が大量に付着していたので、この時期が最もダメージが大きかったです。
釣行後の水洗いが不十分
一番の原因は、釣行後に海水を洗い流す作業が不十分だった点です。
海釣りではラインに海水が浸透するので、真水で洗い流す必要があります。これが不十分だと、ラインに浸透した海水の水分だけが乾き、塩の結晶はラインに残ります。この塩分が金属部に接触し続けることで腐食が起こります。
私の場合、釣りから疲れて帰ってきたときは面倒でやらなかったり、洗っても軽くすすぐ程度ですませてしまったりしていました。特に釣果が良かった日は、釣行のあと魚を処理して、そのあとタックルやウェアのメンテナンスをするとなると本当にクタクタになります。そういう日は割り切って、メンテナンスは翌日丁寧にするべきでした。
ライン交換が年に1回
PEラインはナイロンやフロロに比べ長持ちします。1年間同じラインを巻きっぱなしなので、その期間スプールを侵食し続けています。これが塩害腐食が広がった原因です。半年に1回くらいは、ラインを外してスプールを洗うことで浸食を防ぐべきでした。
しかし、まだ使えるラインを捨てるのももったいないし、リールの台数分ラインを巻替えるのもコストがかかります。そういう場合は、空のリールにラインを移したり、リサイクラーを使ってラインを巻き取る方法がおすすめです。
シールテープで対策
対策はとても簡単で、シールテープを巻いておくだけです。
シールテープは水道管や空気管などの接続部の漏れを防ぐのに使われるテープです。耐水性、気密性、耐久性にも優れているので、今回のように腐食部分を保護するのにも適しています。密着性も高いので、腐食した部分の凹凸に沿ってぴったりと密着してくれるのも良い点。テープは粘着性があるわけではないので、綺麗に剥がせて跡も残りません。
シールテープを巻く前に固着した塩を除去する
塩の結晶はピンセットなどを使えば簡単に剥がせます。塩分が残っているとシールテープで保護しても、その内側で腐食が進んでしまうので残らず除去していきます。
シールテープを2~3周巻く
1周だけだと破れてしまうことがあるので、2~3周巻いておきます。シールテープを巻くとスプール径が変わるので、ラインの巻き量に影響がでそうですが誤差レベル。テープの厚みは0.1mmで、PE0.4号(直径0.108mm)と同じくらいです。
ラインを巻く
いつも通りの手順でラインを巻いてあげればオーケーです。
まとめ
今回の方法は塩害腐食が発生してしまった場合、シールテープで腐食部分を保護するという簡単な対策です。安価で時間もかからないので誰にでもオススメできる方法です。
ですがやはり塩害腐食を発生させないことが最も重要で、そのために日頃のメンテナンス、水洗いやラインの巻替えなど丁寧に行っていきましょう。
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