岡山県の低山!熊山の登山ルート

登山

岡山県東備地域にある「熊山」
標高508mを誇るこの山は、東備地域最高峰に鎮座し、多くの文化財や遺跡が残っていることから人気を博しています。

熊山連峰は尺八山、舟下山、龍神山など10以上の山々から形成されており、岡山市、備前市、赤磐市の3つの市境を跨ぐ大山塊です。
それ故、熊山山頂まで続く登山ルートは、各山の登山口から成り50ルート以上にも及んでいます。

山頂展望台からは瀬戸内海が一望でき、訪れる登山者を楽しませています。
また、天気が良ければ四国、香川県の屋島まで見渡すことができます。

熊山とは

山名の熊山は、熊野三山に由来していると謂われています。
熊野三山とは和歌山県に位置する、「熊野本宮大社」、「熊野速玉大社」、「熊野那智大社」の総称で、三山はそれぞれ熊野古道によって結ばれています。

熊山は奈良時代から霊峰として崇められ、この地域の地名も熊山と名付けられていることから、信仰の深さが伺えます。

熊山が登山者に人気の理由は、様々な登山ルートがあり、初心者から上級者まで飽きることなく登れることです。
また、熟練登山者ともなると、色々なルートを独自に組み合わせて、オリジナルのルートを開拓し、ひとつ上の楽しみ方を満喫しています。

熊山は山の中腹、山頂に駐車場があり、車でも気軽にアクセスできるのも魅力のひとつ。
神社や遺跡、文化財に触れ熊山に興味を持ち、過去の山行に倣って登山に挑む、という入り方も珍しくありません。

熊山という山名ですが、熊などの危険動物は生息しておらず、イノシシ、鹿まで。
岡山県の地理上、雪なども滅多に降らないので、年間を通じて登山しやすい環境が整っているのも登山者が多い理由のひとつ。

登山ルート

登山ルートはいくつもありますが、今回は代表的なルートを紹介します。

いずれも初心者向けのルートで、アクセスもしやすいので、初めての方はまずはこのルートを制覇するところから始めてみることをオススメします。

ルート

 熊山駅ルート
 弓削ルート

熊山駅ルート

ルートマップ

熊山駅ルート

標高:508m
距離:11km
時間:4時間
累積標高差:650m

青の軌跡が熊山駅ルートです。

熊山駅ルートは、熊山では最もポピュラーなルート。
車、電車どちらからでもアクセスしやすいため人気のルートで、登山客も多いことから初めてでも安心して登山することができます。

ルートに危険なポイントはなく、比較的歩きやすい登山道が続くのも人気のひとつ。
多少の岩場はありますが、手をついて登るような岩場はありませんので安心してください。

山頂に着くまでにも見どころが多く、飽きることなく登ることができます。
また、途中には休憩所や展望台もあり一息入れることができるので、体力に自信がなくてもゆっくり自分のペースで登ることができます。

難易度

■ 難易度 ★★★★☆

低山の中では高めの標高で、距離も長く、半日程度かかるので難易度は星5。
山頂でお昼休憩を入れるのであれば、5時間はみておいたほうがいいです。

ルート上に危険なポイントはなく、登山道も歩きやすいのでスニーカーでも登山可能です。
ただし、距離が10km以上と長く、登山靴のほうがソールが硬く足への負担は少ないので、登山靴を準備することをオススメします。

遭難の危険もなく、分岐ごとに案内板もあるので迷うことはありません。
また登山アプリやGoogleマップを使えば、ルートを確認しながら登山できるのでオススメです。

アクセス

 車の場合

車でアクセスするなら、JR熊山駅の駐車場を利用しましょう。

駐車スペースは広く100台以上駐車可能です。
ただ、この駐車場は駅利用者が主に利用している為、平日でも7割くらい埋まっています。

 電車の場合

電車の場合は、JR熊山駅を利用しましょう。

山陽本線ですが、基本的には1時間に1~2本しかないので、時刻表を確認して計画を立てておいてください。

見どころ

熊山駅ルートの見どころは

五合目展望台
蛙岩
竜神二つ井戸
熊山神社
熊山の天然杉
熊山遺跡
山頂展望台
熊山山頂

5合目展望台

熊山駅ルートの5合目に展望台があります。

登山口からちょうど1時間くらいで到着するので、ここで景色を眺めながら一息いれることができます。

蛙岩

岩の形がカエルに似ていることから、「蛙岩」と呼ばれています。
が、「クジラ」のほうが似ているという声が日記やSNSで散見されます。

ちなみに「蛙岩」は、由宇地方(山口県岩国市)では大きな蛙の意味をもつ「ひき」という言葉が当てられ、「蛙岩」と書いて「ひきいわ」と読まれています。

竜神二つ井戸

山頂付近にある井戸で、「雄竜」と「雌竜」の二つの井戸から成り立っています。

パネルには「この湧き水は登山者が口にする大切な水です」と記載されているので、一応飲んでも大丈夫なようです。

色々なものが浮いているので、(アメンボとか)自己責任で飲んでください。
下山のことを考えるとやめておいたほうが無難かと思います。

熊山神社

熊山神社

創建年代は不詳である。
本神社は熊山の山嶺に鎮座し、神位従四位下、式内外で一二八社の一であった。唐僧鑑真和尚が天平勝宝六年(七五四)に聖武天皇の招きにより入朝し、帝釈山霊山寺を開き地蔵菩薩を社内に安置し、国家泰平・牛馬安全の守護神とした。
享保年間(一七一六~三六)に旧藩主池田候から墨印・社領高二十石・山林八町四面を賜ったが、明治維新の際、神仏混淆御引分けとなり、明治六年に熊山神社と改称した。
明治三十二年八月二十八日に暴風のため社殿は焼失した。
建武中興(一三三四)の初め後醍醐天皇が西遷せられる時に、児島高徳が義旗をあげ、皇師の軍を起したことは有名である。

岡山県神社庁より引用

岡山県神社庁 熊山神社

創建年代は不詳、社殿は明治32年8月28日に暴風のため焼失している。

牛馬安全を祈る社で、拝殿の左に「牛」、右に「馬」の像が安置されています。

熊山の天然杉

熊山神社と熊山遺跡と繋ぐ道の中ほどに、この2本の天然杉は聳え立っています。

赤磐市指定の天然記念物に定められており、

樹高:38m
幹の直径:1.5m
幹の周囲:4.5m
樹齢:推定1000年

を誇っています。

フレームに収まらないほどの巨木は、神秘的で見る人を圧巻させます。
登山で訪れた際は、是非立ち寄ってその大きさを目の当たりにしてみてください。

熊山遺跡

ピラミッドを彷彿とさせるこの石積みは国指定史跡で、誰が何のために建造したのか未だ解明されていません。

この遺跡は奈良時代に建造されたと思われ、熊山山塊には同様の遺構が大小32基も確認されています。

おそらく熊山で一番人気のパワースポット。
熊山に来てここへ訪れない人はいないほど人気で、一見の価値ありです。

山頂展望台

展望台からは瀬戸内海が一望でき、小豆島もはっきりと全容を見ることができます。

東備地域最高峰を誇る熊山からの眺めは、周辺の山全てを眼下に見下ろすことができ、最高の絶景を拝めます。

展望台には無料の観光望遠鏡が2台設置されており、遠く四国の香川県まで確認することができます。
訪れた際は是非覗いてみてください。

熊山山頂

山頂にはNTTの電波塔と三角点があります。

NTT電波塔は空高く聳え立ち圧巻です。

三角点は電波塔の裏にあり、三角点を囲うように、石のオブジェが配置されています。

登山ルート詳細

車で来た場合は熊山駅駐車場に駐車して登山開始です。

余談ですが、付近に見える白陵高校は偏差値73、岡山県トップの高校です。

電車で来た場合は熊山駅下車、駅から登山開始です。

駅から駐車場方面、南へ進みましょう。

少し歩くと、ハイキングコースの案内板があるので、これに沿って熊山を目指しましょう。

道の途中、杖置き場があるので杖がない方はこの中から選んで使用してください。

4時間以上登山するので杖が無いと結構苦しいです。

この看板が見えたら登山道スタートです。
熊山遺跡までは片道90分、約4.5kmあります。

ただし、見どころが多いので、全て周って満喫すると4時間以上かかります。

集落を抜けると登山道の始まりです。

いきなり大自然が広がっているので、一気に気持ちを持っていかれます。
周囲は高い木だらけで圧巻、深呼吸をし、森林浴を堪能しながら登山すると気持ちがいいです。

各分岐点には迷わないよう登山道の道しるべがあります。
これを頼りに頑張って登りましょう。

山の中腹、最初の休憩地点に着きます。
ここは特に展望台などはなくちょっとした椅子があるくらいです。

ここは駐車場になっているので、車でここまで来てここから登山することもできます。

5合目展望台

展望台からの眺めを堪能しながら、一息いれましょう。
先はまだ長いです。

つづいて「蛙岩」が見えてきます。

写真では伝わりませんが、結構巨大。
やはりクジラのほうがしっくりきます。

8合目の看板も見逃さないように。

竜神二つ井戸

ここの湧き水は、かなり冷たくて気持ちいいです。
飲むかどうかは自己責任でお願いします。

「熊山神社」に到着。

拝殿の馬牛の像は一見の価値ありです。

熊山神社から熊山遺跡に向かう道に「2本の天然杉」があります。

写真では伝わりませんが、実際に行ってその巨樹を確かめてみてください。
首が痛くなるほど見上げないと天辺が見えません。

「熊山遺跡」に到着。

奈良時代に造られたと考えられています。
2段目にあるくぼみは、仏像が納められていた跡と考えられていて、熊山は仏教の信仰が強かったと謂われています。

展望台で休憩しましょう。
トイレもここにあります。

周辺の山々を眼下に収め、瀬戸内海を眺めながらの休憩は最高です。

山頂展望台から東方面に登ると「熊山山頂」に到着します。

巨大なNTT電波塔が目印。
この電波塔も天然杉に劣らず、圧巻の高さを誇っています。

NTT電波塔の裏に、隠れるようにして「三角点」が築かれています。

ここで登頂記念の写真を撮って、熊山登頂完了させましょう。

弓削(ゆげ)ルート

ルートマップ

弓削ルート

標高:508m
距離:8.7km
時間:3時間30分
累積標高差:700m

弓削ルートは熊山一の絶景が望めるルートです。

このルートは龍神山を経由して熊山山頂を目指すルートですが、この龍神山山頂から望む山々が絶景。
登山者の人気を引き付けて止みません。

しかも龍神山までであれば、片道50分ほどで辿り着きます。
時間がなければ龍神山往復ルートにしても、山頂絶景のおかげで十分満足できる登山になります。

難易度

■ 難易度 ★★★☆☆

そこそこ起伏に富んでいて、時間もかかることから星3です。

低山のなかでは標高の高い部類ですので、体力配分を間違えないよう登る必要があります。

スニーカーでも十分登れますが、このくらいの距離と時間になってくると低山用の登山靴を準備することをオススメします。

登山口には杖が大量にあるので、持っていきましょう。

アクセス

 車

マイカーで来る場合は、登山口、八幡宮駐車場を利用できます。

20台ほど駐車可能です。

 電車

電車の場合は、万富駅下車、徒歩で登山口まで30分です。

残念ながらバスなどの交通機関はないので、万富駅からは徒歩かタクシーになります。

見どころ

弓削ルートの見どころは

龍神山山頂
熊山神社
熊山の天然杉
熊山遺跡
山頂展望台
熊山山頂

です。

「熊山神社」~「熊山山頂」までの見どころは、「熊山駅ルート」の項目を参照してください。
この見どころでは「龍神山山頂」を紹介します。

龍神山山頂

この龍神山は山頂からの眺めが絶景です。

岩場先端に行くには少し勇気がいりますが、景色と相まってスリルも満点です。

弓削ルートを登るなら絶対に寄るべきスポットです。

登山ルート詳細

八幡宮鳥居をくぐれば駐車場があります。
結構細いのでご注意を。

八幡宮の入り口に杖が大量にあります。
ここから自分に合った長さの杖を選んで持っていきましょう。

ここが登山口です。
ここから熊山山頂を目指ざして登り始めましょう。

前半は急こう配が結構続きます。
体力配分を考えて、自分のペースで登りましょう。

こんな登山道もあります。
岩場が川で浸食されています。

岩塊地帯もあります。
登山道もエリアによって緩急があって楽しめます。

まだ、山頂ではありませんが登山道からもこのような景色が望めます。
この時点で、周りの山々より高い標高なのが分かります。

この先が龍神山山頂です。

龍神山山頂です。

ここからの景色は筆舌に尽くしがたいものがあります。

写真では伝わりませんが、本当に壮大です。
是非、自分の目で確かめてみてください。

山頂からは登ってきたルートの尾根が見えます。

まるで龍の背を思わせるような、綺麗な尾根筋。

龍神山山頂から、熊山山頂を目指します。

この辺りは尾根を歩くので、天気が良ければ真っ青な空と登山することができます。

ルートのところどころに、このようなビューポイントもあります。

徐々に標高が高くなっているので、周りの山々がどんどん低くなっていっているのが分かります。

「熊山神社」に到着。

拝殿の馬牛の像は一見の価値ありです。

熊山神社から熊山遺跡に向かう道に「2本の天然杉」があります。

写真では伝わりませんが、実際に行ってその巨樹を確かめてみてください。
見上げるほど首が痛くなります。

「熊山遺跡」に到着。

奈良時代に造られたと考えられています。
2段目にあるくぼみは、仏像が納められていた跡と考えられていて、熊山は仏教の信仰が強かったと謂われています。

展望台で休憩しましょう。
トイレもここにあります。

周辺の山々を眼下に収め、瀬戸内海を眺めながらの休憩は最高です。

山頂展望台から東方面に登ると「熊山山頂」に到着します。

巨大なNTT電波塔が目印。
この電波塔も天然杉に劣らず、圧巻の高さを誇っています。

NTT電波塔の裏に、隠れるようにして「三角点」が築かれています。

ここで登頂記念の写真を撮って、熊山登頂完了させましょう。

まとめ

熊山登山ルート

■ 熊山駅ルート
 標高:508m
 距離:11km
 時間:4時間
 累積標高差:650m

■ 弓削ルート
 標高:508m
 距離:8.7km
 時間:3時間30分
 累積標高差:700m

以上、熊山登山ルートの紹介でした。

今回紹介した人気の2ルートはどちらも登りやすく、初心者でも登りきることができます。

平日でも登山者がちらほら、休日は駐車場に車が止めれないこともあります。
登山中も、よく他の登山者とすれ違うので、何かあっても安心できるのもいいです。

熊山登山に是非挑戦してみてください。

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