エギを使っていると、イカに噛まれたり岩に擦れたりして、布が徐々に破れていきます。
特にお気に入りのエギは出番が多いので、いつの間にかボロボロになっていたりします。
実は、エギの布は自分で張替えることができ、見た目も復活させることができます。
わたしも今シーズンのアオリイカが終わり、ボロボロになってしまったエギがいくつかあったので布の張替えをしました。
この記事では、布が破れたエギを実際に張替えした手順を、写真付きで分かりやすく解説します。
エギを長く使いたい方や、コスパ良く釣りを楽しみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
エギの布はなぜ破れるのか

エギの布はある意味消耗品です。何度も釣りに行っているうちにダメージが蓄積していきます。まずはどんな原因で破れるのか確認しておくことが大切です。
ボトム接触
エギングは基本的に着底を取る釣りです。ゴロタ場などでは岩に接触する機会が多くなり、布が擦れて破れにつながります。
特に、シャロー帯を狙う秋のアオリイカなどは、気づかないうちにダメージを受けていることが多いです。
イカの噛みあと
カラストンビと呼ばれるイカの口は、鳥の嘴のように尖っています。この口で噛まれるとエギの布は大ダメージを負います。
イカのアタリは小さく、抱いてきたことに気づけないと、その間ずっと噛まれっぱなしになってしまいます。
破れたまま使うとどうなる?
小さな穴程度なら影響は少ないですが、破れが大きくなるとエギの姿勢が安定しなくなったり、動きにも影響が出てきます。キビキビと動かすスラックジャークや、テンポの速いシャクリなどでは動きの偏りが出てきます。
エギの布が張替え必要なケースは?

エギの布が破れたからといって、すぐに張替えが必要なケースは少ないです。
小さな破れなら、破れが広がらないよう接着剤で簡単な補修を行う程度で大丈夫です。
どの程度破れていたら張替える?
破れた布、めくれた部分を貼り合わせても大きな穴が開いている場合は、張替えを検討してもよさそうです。
だいたいエギの目玉くらいの穴があれば、張替えの目安になります。
張替えのメリット・デメリット
張替え作業自体は比較的簡単で、誰でも行うことができます。お気に入りのエギをリペアして使えば、愛着も一段と沸いてきます。ただし、布のカラーや模様は、同じものにできないので注意してください。
エギの布張替えに必要なモノ

作業に使ったパーツや工具類です。
必ず用意したいものと、代用が効くものは分けているので参考にしてみてください。
必ず用意するもの
・エギ用の布:ナカジマ エギ用クロス
・エギ用羽根:ナカジマ エギ用羽根
・スティックのり
・瞬間接着剤 ゼリータイプ
・ハサミ
・ペンチ
・マイナスドライバー
無くてもいい、代用が効くもの
・アロンアルファ
・つまようじ
・ミシン糸
・ピンセット
・ヤスリ
破れたエギの布を張替える方法

ここからは実際の作業手順を紹介します。
今回布の張替えに使うエギはヤマシタのエギ王Kです。このムラムラチェリーというカラーはよく釣れると評判で、わたしも頻繁に使用していました。
古い布、パーツを剥がす

まずは古い布を剥がしていきます。ハサミで切り込みを入れ、手で裂いていけば簡単に剥がすことができます。

お腹の溝や、シンカー周りもなるべくキレイに剥がしていきます。


エギ王K特有の「ハイドロフィン」はペンチで引っ張れば外せます。
あまり力を入れずに、少しだけクイクイと左右に何度かねじれば、徐々に外れてきます。


目玉はボディとの隙間にピンセットを挿して、徐々に外していきます。
ピンセット以外にもマイナスドライバーなど、先の細いもので代用できます。


羽根もボディとの隙間にピンセットを挿して、徐々に外していきます。


シンカーには釘が打ってあるので、同じ要領で外していきます。
釘はかなり強力に固定されているので、ピンセットで少し押し上げた後、ペンチで釘の頭を挟んで外すと上手くいきます。


シンカー自体もしっかり固定されているので、ペンチで揺らしながら少しずつ外していきます。


ボロボロになっているシンカーは棒やすりなどで研いで、キレイに仕上げます。

パーツを全て外し終わったら、布の残りを削いでいきます。

下処理が終わりました。
新しい布を貼り、パーツを取り付ける
ここからは新しい布の貼り付け作業になります。
使う布は「ナカジマ 餌木工房 エギ用クロス」のマジョーラ BL/RDカラーです。
他にも様々なカラーがあるので、自分のエギに合った色を選んでみてください。

このエギ用クロスでエギ6~8本程度の張替えが可能です。

エギのサイズに合わせて布を裁ちます。

エギと布はスティックのりで貼り合わせます。
使ったのりは「PIT ハイパワーS」ダイソーに売っています。
エギに糊を塗布していきます。
全体に均一に塗るのが、キレイに仕上げるコツです。

布を貼ります。
布は背中から腹に向かって貼ります。
あまり引っ張らず、シワにならないよう気を付けます。

余った布をカットします。
余り代は腹の溝に埋めていくので、短くなりすぎないようにします。
5ミリ程度残し、次の工程で微調整するのが失敗しないコツです。

余った布を、腹の溝にピンセットなどを使い埋めていきます。
余り代が長い場合は、カットします。

埋め終わりました。

埋め終わった溝は、接着剤で固定します。
ゼリータイプがおすすめです。
液体タイプだと布に染み広がるので、少し難易度が上がります。

ゼリータイプの接着剤を爪楊枝などに取り、腹の溝に塗っていきます。

アイの部分はミシン糸などで縛ります。
5~6回程度まきつけ、一結びで固定します。

余った糸はカット。なるべくギリギリの短さにします。


結んだ糸は液体タイプの瞬間接着剤で固定します。
接着剤が乾いたら、余っていた布部分をカットし仕上げます。

カンナ側も同じように仕上げます。


ハイドロフィンの取り付け。
ゼリータイプの接着剤を塗布し、元通りに取り付けます。


シンカーも同じ要領で取り付けます。


目玉も同じ要領で取り付けます。

最後に羽根を取り付けます。
使うのは「ナカジマ エギ用羽根」です。

羽根を挿し込み、上からフタをします。
フタは、ナカジマ エギ用羽根に同梱されています。

両側に取り付け、形を整えれば完成です。
羽根の修理はコチラの記事も参考にしてみてください。
同じ材料で、より詳しく解説しています。

完成したら全体を確認し、布の浮きやパーツが真っすぐ取り付けられているかなど確認します。
問題なければ、接着剤が完全に乾くまで触らないようにしましょう。
まとめ
エギの布が破れても、補修や張替えを行えば、まだ十分に使えます。少し手間はかかりますが、お気に入りのエギを長く使えるのは大きなメリットです。
破れたからと諦める前に、ぜひ一度チャレンジしてみてください。

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